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2014年2月3日月曜日

              

漫画的なノリで楽しめる小説

今回もあやかしモノです。前回紹介した「家守綺譚」(梨木 香歩)はとても静かな雰囲気の作品でした。それに対して、今日紹介する小説はとても賑やかです。同じ不思議な世界をテーマにしていても、こうも違ってくるのかというほどノリのいい作品。普段は漫画しか読まないよって人でも読みやすいと思います。と思っていたら、それもそのはず、作者の畠中恵さんは、作家になる以前漫画家として活動されていた様です。納得ですね。
この作品で日本ファンタジーノベル大賞の優秀賞を受賞されています。


しゃばけ (新潮文庫)
畠中恵

あらすじ
江戸時代の廻船問屋兼薬問屋・長崎屋の若旦那である一太郎。一人息子で病弱な一太郎を甘やかすのは両親だけではなく、いつも周りにいるあやかし達まで彼のことを大切に思っている。そんな一太郎はある晩殺人を目撃してしまい・・・?
不可解な連続殺人事件を妖怪たちと調査する、時代物あやかしサスペンス小説。

この小説最大の魅力は、登場人物だと思います。まず主人公の一太郎がまさかの虚弱体質で、すぐ寝込んでしまうというところが面白く感じました。ここまでひ弱な主人公だからこそ、その主人公を助けるのが、人よりも力を持った妖怪達であるということが、いかされているんじゃないかと思います。またそのわかり易い設定のおかげで、それぞれのキャラクターが立って、活き活きしているのが良いです。若旦那は甘やかされて育った割には、自分の考えを持っていて、きちんと行動に移す男なので主人公としての活躍も十分にしてくれます。
ストーリーも序盤はなかなか進みませんが、途中からは思ってもみなかった話へと繋がっていくので、一気に読めました。起こる事件が殺人事件であるにも関わらず、小説全体の雰囲気はほのぼのしているので、暗い気持ちにならずにすむんじゃないでしょうか。本当に和風ファンタジーの漫画を読んでいる様な感じです。
この一冊だけで楽しめるようになっていますが、シリーズものなので登場人物の魅力にはまったら、次々と読んでいきたくなると思います。

あぁ・・・若旦那がうらやましい。