その夏目友人帳に少し似ていると思ったのがこの小説。
家守綺譚 (新潮文庫)
梨木 香歩
あらすじ
100年前の日本。売れない作家の綿貫は、亡くなった友人の実家の家守をすることになるのだが・・・?
庭には人に恋するサルスベリ。掛け軸から出てくる亡くなったはずの親友。河童に狸に子鬼。非日常が日常へと変わっていく不思議な物語。
一話一話が短く切られているので読みやすいです。派手さはないのに物語を読んだという深い読了感。さらにこの作品で際立っているのは、ノスタルジーを感じさせる文体。美しい言葉が心地よく体に染み渡ってきます。日本語が持つ言葉の響きの素晴らしさに、改めて気付かされました。小説よりも文学作品という言葉の方が似合います。
日本の昔の姿は本当にこんな感じだったんでしょうか。流れる空気、人や人で無いもの、全てが温かく優しかったです。登場人物の、不思議な出来事をするすると受け入れる器の大きさは見習いたいと思いました。
植物の描写がたくさん出てくるので、詳しい人はもっと楽しめるかもしれません。私はイメージが頭に出てこなくて、少し残念でした。
最近続編も出たみたいなので紹介しておきます。出てたの知らなかった・・・。
冬虫夏草
梨木 香歩
ついでにちょっとした繋がりがあるこの本も紹介。
村田エフェンディ滞土録 (角川文庫)
梨木 香歩
漫画と比べるとやはり読むのに気合がいると思いますが、静かな世界が表現されている作品としては断トツでオススメです。不思議な世界が好きな方、気になった方はどうぞ。